「UNIXの1/4世紀」(ピーター・H・サルス)


表紙画像はAmazon.co.jpへのリンクです。

UNIXの歴史を当事者の言葉を交えて解説する名著。

この本はUNIXの歴史を当事者本人の言葉を交えて詳細に物語ったものです。UNIXの歴史に関する文章はウェブページやいろいろなPC関係の書籍で読むことができますし、UNIXやLinusなどに関心のある方なら、だいたいある程度のドラマを頭の中に描き出せることと思います。けれど、初めはUNICSと呼ばれていたそのシステムのファイルシステム実装のマニュアル作成に関して、ミーティングの回数をケン・トンプソンが「大体一度か二度だった」と回想している事を教えてくれるようなマニアックな記述は、この本以外には無いように思います。

BSD、ひいてはFreeBSDの足を引っ張って(当時の)Linuxに遅れをとらせたとされているUSL裁判の経緯。後に評判を落としたSCOが、かつてはどのようにUNIX文化に関わっていたのか。などなど、普通の入門書には載っていないような事柄が、はっきりとした情報源の記載とともに満載されています。

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