著者 恩田陸
発行日 1992年7月
発行元 新潮社
読んでいて中学校時代を懐かしく思い出すような小説です。主人公達のものの感じ方が素直で安定している為に感じられる平和な雰囲気と、引っ越してきた少女の怪しい振る舞いや多くの謎から感じられる緊張感がうまく両立しています。郷愁の作家恩田陸のデビュー作です。
話の進め方や表現が巧みなこともあり、登場人物の感じている驚きや好奇心、恐怖などの感情に素直に共感できます。ライトな小説ながら、学校という存在の意味を探るような記述があり、どことなく物を考える中学生の雰囲気が出ていて魅力的な恩田作品です。