「タイプ論」(C.G.ユング)


表紙画像はAmazon.co.jpへのリンクです。

人の性格について、内向的・外向的という区分けを提唱した、ユング心理学における重要な書籍の一つ。

類型論自体は古来よりさまざまなものが考案されており、それらの中には内向・外向の雰囲気を表しているものも存在します。ユングによるタイプ論の特徴は、この2タイプに極性があると仮定し、類型の根本的なものとして無意識の構造とあわせて考察した点です。極性があるというのは、例えば南極と北極のように片方に近づくともう片方からは遠ざかるということ。

ユングに対する多くの批判の通り、このタイプ論も科学的な論文にはなっていません。「私の経験によれば、、、」とか「アポロンとディオニュソスを比べると、、、」などの言葉から次々と概念を引き出して行く論法はとても科学的とは言えませんが、そういった方法論にも説得力を認めている点もユングの人間理解の一つと考えられます。

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