著者:メーテルリンク
訳者:鈴木豊
クリスマス・イブの夜、幼いチルチルとミチルは自分たちの貧しい家の窓から、隣家の明るいパーティーを眺めている。そこに仙女があらわれ、「ここに青い鳥はいるかね?」と彼らに尋ねる。娘の病気を治すためには青い鳥が必要なのだと彼女は言う。仙女にもらった帽子の魔法で、命を吹き込まれた犬や猫、砂糖や光たちと一緒にチルチルとミチルは青い鳥を探す旅に出る。
ノーベル賞文学賞を受賞したメーテルリンクの有名な物語です。劇の台本のような構成になっていて、本の初めに衣裳などの説明があったり、章の始めに舞台設定の説明があったりするので、通常の小説作品とは少し毛色が違う作品です。主に登場人物たちの台詞を手がかりに物語りが進みます。
幸福の青い鳥を探す物語ですが、各エピソードを通じて「幸せって何?」という疑問の答えを探す形にもなっています。当然この難問の答えは一筋縄では出てきませんが、そこは上手にまとめられています。各人物の台詞や演出に大げさな印象を受けますが、素直に楽しめる作品です。
[mixiの日記より]