データ分析のための心理学[第03回]〜行動分析学2(好子)〜

好子

アメとムチで言うところの”アメ”(ご褒美)。

参考書による定義では、

a) 行動の直後に出現すると
b) その行動の将来の生起頻度を上げる
c) 刺激、出来事、条件
「行動分析学入門」(リチャード・W・マロット他著、杉山他訳,2002)
とのことです。

犬に芸を仕込む場合、芸ができたら撫でてやるとか、エサを与えるなど、ご褒美を与えると思いますが(筆者は動物のトレーニングに関しては全く無知ですが)、この「撫でる行為」「与えるエサ」などが好子にあたります。
上の定義では出現とされていますが、場合によっては「増える」「大きくなる」などでもよいとのこと。

また、”直後に出現”という点も大事です。あらかじめ提供することを約束しているケースでは好子にならない場合があります。

好子出現による強化

例えば、プロジェクトを期限までに終わらせたら、尊敬する上司がうなずいてくれた。といった経験を部下がした場合、「上司のうなずき」あるいは「尊敬する上司に認められたこと」などが好子だと考えられます。
こういった場合、プロジェクトを終わらせる度に、たとえ上司本人は結果に満足していなくても、この好子を確実に部下に与えることで部下の業務態度が向上するかもしれません。

このように、好子を与えて、相手の行為を改善することを”好子出現による強化”と言います。

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データ分析, 行動分析学
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