データ分析のための心理学[第01回]〜はじめに〜

はじめに

昨日(2004年4月28日)の日経新聞に「株価もアフリカの流行も予測、米データ分析最前線」という記事が出ていました。最近よく見るタイプの記事ですが、”米カリフォルニア州に本社を置くマーケットサイク(MarketPsych)”という会社が紹介されていてブログを元に人々の投資心理の指数化などを行っているとのことでした。

この記事に限らず、データマイニングや予測ビジネス関連の文章を読んでいると心理や心理学という文字を目にする事があります。筆者は高専を中退して心理専攻の大学に入り直した人間なので心理学にはそれなりに興味を持っています。

どうして心理学がデータ分析に役立つのか

と思われる方がおられるかもしれません。その答えは、心理系の学生ならかならず目にした事がある心理学の定義に含まれています。

心理学の教科書として全米で広く使用され、日本でも評価の高い「ヒルガードの心理学」によると、「心理学は,『行動と心的過程についての科学的研究』と定義することができる。」(リタ・L・アトキンソン他,2002)とされています。大雑把に言うと「人の行動を分析する学問」ということです。この定義のもとに様々な分野で人の行動に関する研究を行っているのが現在の心理学です。数字の増減以外の科学的視点に基づいた人の行動や学習に対する理解は、人の行動が関わるデータを分析の役に立つと思います。

具体的に何が役立つのか

心理学には様々な分野がありますが、スキナーという心理学者が創始した行動分析学が特に役に立つと思います。行動分析学は人間や動物の行動と学習のメカニズムを中心に研究されている学問です。

次回から、この行動分析学について、私が大学時代に使用していた教材をもとに記事を書いてみたいと思います。

この記事のカテゴリー

データ分析, 行動分析学
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